番組概要
鉄道の歴史・伝説に迫る人気番組、第14シーズン。今回は、日本初の量産型電気式ディーゼル機関車、DF50形の物語。
番組詳細
第2次世界大戦の終戦当時、戦勝国であるアメリカやイギリス、オーストラリアなどは、燃料効率・運用コスト・環境面などから蒸気機関車の淘汰(とうた)を推進していた。 この海外の動きに刺激され、昭和25年(1950年)になると日本の国鉄ではディーゼル機関車の研究を始めることになる。 昭和28年(1953年)。 この研究成果として日本初の幹線用ディーゼル機関車DD50形が誕生、6両が製造される。
エンジンはスイスのスルザー社と新三菱重工業の技術提携によるもの、動力伝達方式は、幹線用機関車の世界的な標準である電気式が採用された。 そして、昭和32年(1957年)。 このディーゼル機関車の成功を受けて、DD50形をベースにした量産型のディーゼル機関車、DF50形の製造が開始された。
DF50形は、本線での運用が可能な日本で最初の量産型ディーゼル機関車、 北海道を除く日本各地の路線で活躍し、特急列車から貨物列車まで幅広く運用される。 特にトンネルの多い路線では、蒸気機関車のばい煙から解放される無煙化の効果は、極めて大きく、昭和35年(1960年)より始まった蒸気機関車を計画的に廃止し、淘汰(とうた)する動力近代化計画の旗手として、活躍することになる。
このような蒸気機関車に代わるディーゼル機関車を開発するためには、D51に引けをとらないけん引力が必要であった。 その実現には、失敗を恐れずに試作車両を生み出し技術を競い合ったエンジニアたちの存在が欠かせなかった。 量産型電気式ディーゼル機関車DF50形の誕生に至る開発の道のりを見つめていく。