番組概要
大分県にイスラム教徒土葬墓地をつくろうとするムスリムと建設に反対する住民。外国人が増え続ける日本で起きる問題。土葬墓地から考える、外国人との共存のあり方とは。
番組詳細
大分県で揺れているイスラム教徒(ムスリム)の土葬墓地問題。国内で暮らす外国人の人口が増加するなかで、日本で生活を送り、永住するムスリムも増え続けている。イスラム教では亡くなった人を土葬しなければならない。しかし火葬が主流の日本では土葬できる場所は限られ、日本で暮らしているムスリムは頭を悩ませている。そうした中、「別府ムスリム教会」がムスリムの土葬墓地を日出町につくろうとしている。
しかし墓地を予定している場所の近くには隣の杵築市の住民が生活用水として使用している水源地があり、水質への影響を懸念する住民たちから反対の声があがった。「土葬自体に反対しているのではない。ただなぜこの場所なのか。風評被害で物が売れなくなったら困る」と反対する杵築市の住民。「イスラム教では土葬しかできない。なにがあっても、どんなに困っても火葬はできない。
これから日本で暮らし続けるイスラム教徒のためにも墓地は必要」と一日でも早く自分たちのお墓をつくりたいムスリム。宗教や文化の違う彼らがお墓を巡り、わかりあえる日はくるのだろうか。計画から6年が経った現在も墓地の完成は見通せていない。小さな町で今まさに起きている土葬墓地問題から考える、これからの外国人との共存のあり方とは。
ナレーション:小笠原正典