番組概要
「いい塩梅で生きる」 内藤いづみ(在宅ホスピス医)
番組詳細
90歳近い末期がんの患者さんがご自身のケア会議に参加した時のことです。様々な分野の専門家が患者さんの最期をどう支えるか真剣に話し合いました。「私たちが一生懸命支えますから」と耳元で大きな声で伝えると患者さんは涙をひとすじ流して「いい塩梅でお願いします」と言いました。白黒はっきりさせるのではなく、のりしろや遊びの部分があるのが『いい塩梅』です。私たちがあの世に持っていけるのは「いい人生だった」とか、
「いい人たちに恵まれた」という思い出だけです。私が尊敬する永六輔さんは「生きているということは誰かに借りを作ること、生きていくということはその借りを誰かに返すこと」と言いました。この世に生を受けたこと自体が奇跡です。その奇跡に感謝しながら人生を歩んで欲しいと思います。そして最期のことばは『ありがとう』です。
【講師】 内藤いづみ(在宅ホスピス医) 【司会】 北村花絵(テレビ静岡アナウンサー) 【手話通訳】 石川ありす